心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

ガリレオの夢――グレートコンジャンクションのリレー

数週間ほど前、ガリレオ・ガリレイの夢を見た。

残念ながら、一緒に望遠鏡を覗き、木星の衛星や太陽の黒点やらを観察するといったステキな夢ではなかった。

ガリレオの宗教裁判の行方をこっそり見守る(システィナ礼拝堂で!)という、なんとも切ない夢だ。

そんな夢を見たのには、理由がある。

その日、「バチカン~秘められた神秘の世界」というドキュメンタリーを観たのだが、内容はというと、バチカン市国の地下にある”secret”と呼ばれる機密文書館で、今、ガリレオに関する貴重な記録の修復作業が進められているというものだった。

その記録とは、ガリレオが1632年に発表した地動説に関する書物に対し、教会側から厳しい追及を受けたという審問の口述記録、及び、死罪を免れるため、異端と言われた学説をガリレオ自身が撤回した契約書であった。

さらに、バチカンによって正式にガリレオの名誉が回復されたのは、彼の死後350年経った1992年だったと知り、改めて、ガリレオのチャートをしみじみ読み、胸を痛めつつ眠りについたため、そんな夢を見てしまったのだ。

ここ数カ月、講座の最中でことあるごとに、「木星土星のあれこれを考えるのにハマっている」という話をしているが、私を夢中にしている理由のひとつに、そんな天文の父と呼ばれる、ガリレオのチャートに見ることのできるグレートコンジャンクションがある。

グレートコンジャンクションとは、20年または21年毎に形成される木星土星コンジャンクションのことを言うが、この組み合わせには、様々な象徴の意味を与えることができるだろう。

よく言われているのが、「その時代の象徴」であり、「社会に影響を与える力を持っている」ということだが、もちろん、そういった人物になるからには、時代からも選ばれなければならない。

そして、それは幸福を約束するものでは決してない。

ガリレオ・ガリレイしかり、ジョン・レノンしかりだ。

1564年生まれのガリレオのチャートは、本当に独特だ。

太陽に対して、3つのトランスサタニアンがTスクエアを作り、グレートコンジャンクションとは違う文脈をそこに作っている。

つまり、トランスサタニアンが新しい時代意識をもたらし、社会(教会)=土星木星との葛藤を生みだしているというわけだ。

晩年、失明をするほどに学問に身を尽くしたガリレオだったが、彼は、死ぬまで軟禁状態を余儀なくされた。

そして彼が死んだ翌年、1643年、天空上に、再びグレートコンジャンクションが形成された。

ガリレオの科学の力を受け継ぐかのように、その年、ニュートンが生まれる。

運動の法則を驚くほど単純化したニュートン力学は、近代物理学の祖となった。

こうして、グレートコンジャンクションのリレーは続いていく。

グレートコンジャンクションの研究は、理屈抜きで面白い。

19世紀のリレーは、非常に思想的だ。

1821年生まれのドストエフスキーなどもこの流れにいる。

ノエル・ティルは、土星木星の組み合わせについて、「社会に言いたいことがある」と表現しているが、ジョンのチャートを見るからに、ジョンが一方的に社会を求めたのではなく、社会もジョンを求めたと言えるのではないだろうか。

そういったチャート(グレートコンジャンクション&水星)になっているのが、はっきりと見てとれる。

占星術はなかなかどうして、やっぱり面白いね。