心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

エキスパートを目指す!② 意図して続けることができるか?

数人の方から反響のメールをいただいたので、今日は”エキスパートを目指す!”の第2弾。

なぜ、エキスパートの話をアツく語っているのかというと、最近、生徒さんで職業占星術を一生懸命勉強してくれている人がいて、そのために、ティルの職業占星術を、もう少し肉付けをしたいなと思っているためだ。

アメリカの発達心理学エリクソンは、「仕事に限らず、熟達化における高いレベルの知識やスキル獲得のためには、およそ10年にわたる練習や経験が必要である」といったが、ただ10年続ければ、エキスパートになれるというわけでもない。

経験から、どれだけ叡智を獲得できるか、つまり、経験から学習する態度が必要となってくる。

そこで、今日は熟達のプロセスというのを見ていきたい。

まず、誰も皆、初心者(1年~2年)からスタートしていく。

習得に必要な知識や技術を熟達者や指導者から学び、観察をし、時に仲間と勉強会などで情報を交換し、次第に仕事のしくみが大まかにわかってくる段階。

ここから次の段階、一人前になるには高い壁があり、「こんなはずではなかった」「私がやりたかったことはこれではない」と挫折や転職者も多い。

占星術でいうと、火星のサイクル。

何事も初めてのことは新鮮で楽しいものだが、実際の現場となると、楽しいだけでは乗り越えられないものである。

次の段階は一人前(3~4年)。

自律的に日々の仕事ができる段階。

スキルや知識が備わり、自分自身の力で一通り仕事をこなせるようになるが、ここで熟達化とマンネリ化の分かれ道がやってくる。

目的意識が弱く、これは一時的な仕事だという意識があると、この段階でパフォーマンスの進歩が止まるか、やめてしまうかする人が出てくる。

ここで、次の段階のモチベーションが必要となる。

占星術でいうと、火星の2週目&木星のスクエアにあたる。

火の燃やす力=モチベーションを上げ、新鮮な気持ちを取り戻り、倦怠感を乗り切る必要がある。

次の段階は、中堅者における”適応的熟達化”(6~10年)。

過去に獲得した経験やスキルを使い、実力を発揮させることができる段階。

仕事に関する暗黙知を蓄積し、構造化し、仕事の全体像を把握でき、スキルの使い方が柔軟になる。

仕事において、直観を使い、事態を分析、予測し、適切な対応ができるようになる。

しかし、ここでレベルが止まる人も多い。

次の段階に進むには、相当高い壁を乗り越えないといけない。

占星術的には、木星周期、土星7年周期に該当する。

次は、いよいよ創造的熟達化の段階(10年~)。

特別なスキルや知識を持ち、高い実践知を獲得したものがこの段階。

すべての人が到達できるわけではない。

高いレベルの完璧なパフォーマンスを効率よく、正確に発揮できることが第一目標。

また、状況に応じた新たな手順やルール、そして技を創造できる領域に達した限られた者が達人、名人となる。

占星術では、もちろん土星=MCの象徴にあたり、人生をかけて、目指す到達のイメージとなる。

実は、その先に続きがあるのだ。

最終段階として、「叡智」の段階、生涯発達の理想としての到達点がその先にあると言われている。

占星術では、天王星海王星がその象徴であると考えられる。

深く広い知識と理解に支えられた知性、利害を乗り越えたところにある幸せ(well-being)、公益の実現の段階が叡智の目標となる。

ふぅ~。

先は長いね。

でも、チャレンジのし甲斐があるね。

今日の勉強会でも土星の話になったけど、天王星海王星土星の先の先にあるものだ。

10年を漫然とではなく、意図的にチャレンジし続けることができれば、もしかしたら、その先により大きな世界が見えるのかもしれないね。

これから少しずつ、職業占星術に発達のプロセスというのも加えてみていきたいと思っている。

鑑定の際、クライアントが今、どの段階で足踏みしているのかを考えるのにも役立つと思う。

ティル式の職業占星術に加えて、H・ガードナーの「多重知能理論」も参考にしてみたらどうだろう。

その辺の勉強会も開催したいと思っているので、興味がある人は参加してくださいね。

確定し次第、またお知らせします!