【火曜日は火星の日】
まずは、イスラエルから赤いモノたちをお届け。
イエメンからの移民が始めたという、テルアビブの台所・カラメル市場から1日がスタート。
地産地消率00%と言われるイスラエルだが、この市場にはフレッシュな野菜やフルーツ、オリーブ、チーズ、アラブスイーツ、何十種類もの茶葉やスパイスが文字通り山のように売られている。
イスラエルは、もともと砂漠の上に建国されており、昔らから水問題とは切っても切れない関係だった。
人々は水を無駄にしないよう幼い頃から教え込まれ、ガリラヤ湖の水位が下がれば国内のムードも落ち込むと言われるほどだった。
それが、国家プロジェクトとして地中海の海水をろ過するシステムをつくり、今や余るほどの水源を手に入れた。
町中のいたるところに水道管が張りめぐらされていて、蛇口をひねれば常に浄水が手に入るというわけだ。
イスラエルのイノベーションは、このようにしてマイナスをプラスにする発想から生まれるものが多い。
講座でも時々、話題にすることがあるけれど、実際、イスラエルにいると本当によくわかる。
みな、よくしゃべる。
とにかくしゃべる。
多民族国家なわけだから「話さないとわかり合えない」というのは前提なわけだけど、彼らを観察していると、どんな関係であっても丁寧に話合い、そして常に何かしらのプラスをつくり出そうとする努力がそこにある。
カフェでもレストランでも、市場でもタクシーの中でもそう。
ビジネスの分野でも、交渉ごとの際、「ダメならダメと彼らに伝えてください。彼らは嬉々として、新しい提案をしてきます。彼らはもともと、そういったチャレンジ精神にあふれているのです」ということらしい(知り合いが教えてくれた)が、実際、本当に誰もがそうなのだ。
たかが旅行者の小さな問題に対しても、まるで自分事のように相手に親身になり、粘り強く提案に提案を重ね、「よいもの」を生み出そうとする。
相手の話を注意深く聞き、「では、こういう場合はどうだ?」と会話をふくらませようとしたりもする。
タクシーを降りる際、おじさんが「私はただのタクシードライバーだが、こうして毎日知らない人と話し、いろいろなことを学んでいる。だから毎日が楽しいんだ」と言っていた。
一期一会の関係であっても、それが常に学びの機会となる。
よく講座でも話をするが、彼らイスラエル人は、まさに風エレメントを日々体現している人たちなのだ。
4000年以上前に港として開かれた地中海に面した街ヤッファを散歩した後、いよいよ今回の旅のメインイベント、ダンスのワークショップに参加した。
ちなみにヤッファにまつわる話として、カナン人、ペリシテ人の支配の後、ダビデ王と彼の息子ソロモン王がヤッファを征服し、最初の神殿の建設の資材を運ぶため、この港をつくったと言われている。
またこの港からは、アンドロメダが生贄として縛りつけられたとされる岩が見える。
怪物(ケートス)の生け贄として、今や食われそうなとき、メドゥーサを退治したペルセウスが通りかかり、ケートスにメデューサの首を見せて石にしアンドロメダを救出し、アンドロメダを妻としたというギリシャ神話の言い伝えの岩だ。
そして、ダンスWS。
これが、なかなかタフな体験だった。
コンテンポラリーダンス自体、初めてなわけだから当たり前なのだけど…
郊外の掘っ立て小屋みたいな建物の中に恐る恐る入っていくと、そこにダンススタジオはあった。
アメリカ、スイス、ドイツなど世界中から人が集まってくるから、クラスは英語で進んでいく。
私が選んだクラスは、「身体運動でコミュニケーションをとっていく」というもの。
ペアになって押し合ったり、引き合ったり、乗ったり乗られたり、お互いの身体の動き、力を利用しながら、一つの作品をつくっていく。
私がペアになったのは、このダンススクール4年目のサシュエル(多分)。
イスラエルマインドで、苦戦している私にいろいろな提案をしてくれる。
途中、体験を話し合う場面でも、クラスが終わってからも、どうやったらもっとうまく踊れるか、何が難しかったか、何がお互いよかったかをとことん話し合ってくれる。
「あなたが望んでいることがよくわからない」と伝えたところ、
サシュエル曰く、「あなたは急いで動こうとし過ぎている、相手の動きを手の甲、足の裏、ふとももの筋肉、そういったところから静かに感じて、ゆっくり動いたほうがいい」ということ。
また先生には、「相手に身を委ねるだけじゃなく、自分でもしっかり独立して動く必要がある。しっかり自分の動きを相手に伝えなくちゃ」とも。
なるほど。
「コミュニケーションとは、独立した者同士の対等な関係性づくり」ということを改めて思い出させてもらった。
ということで再度トライ。
そんなこんなで、90分のクラスはあっという間に過ぎていった。
どう考えているのか、どうしたいのか、「個」の意見を伝えていく。
そして、相手の言葉を注意深く聞き、お互いの意見を丁寧にすり合わせていく。
そうすると現場で画期的な動きが起こる。
今まで体験したことのない、新しい風がお互いの中に生まれるのだ。
これが、双子座⇔天秤座⇔水瓶座の「考え、コミュニケーションし、イノベーションする」という風の循環である。
身体でコミュニケーションを体験する。
日本でも珍しくないワークだと思うけれど、慣れない地で慣れない相手とやったほうがこの感覚はつかみやすいかも。
興味がある方は、ぜひこちらの動画を観てみてね。
2月2、3日の集中講座に申し込んでくれたNさが、「今度いつ通えるかわからないから、思い切って申し込みます」と書いてくれたけど、ほんとね、未来などうなるかわからないですものね。
だから、未来をつくっていくために、「今」できることをする。
皆さんの火星チャレンジは、どんな感じで進んでいますか?