心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

ネイタルチャートでは、エッセンシャルディグニティは働きますか?

ここ最近、同じような質問をもらったので、ちゃんと回答しておこうかなと思って。

ネイタルチャートでは、エッセンシャルディグニティは働きますか?という質問。

または、「ファイナルディスポジターは”才能”として読むとありますが、本当に才能として働くのか?私は獅子座の太陽だけど、ちっともそんな気がしないのです」という質問。

ファイナルディスポジターをネイタルチャートに持っている人は、誰もがみんな思ったことがありそうなこの質問。

昔から、占星術のテキストではファイナルディスポジター(ドミサイルになっている天体。獅子座ー太陽、蟹座ー月、天秤座ー金星というように、サインの支配している天体になっていること)について、その天体が一番上手にできるサインに入っているということは、つまり能力や才能であるとあるし、ノエル・ティルの職業占星術では、ファイナルディスポジター=仕事の能力の方向性として読むことが多いけれど…この意味をちゃんと考えないと、ちゃんと個人の成長に沿った読み方ができなくなりますよね。

まず、そもそもネイタルチャートでエッセンシャルディグニティを読む必要があるのかどうかですが、まあ働くといえば働くし、働かないといえば働かない、基本的にネイタルチャートでは、わずかな参考要素として触れることはあっても重点を置くことはないですね。

エッセンシャルディグニティとは、生きたもの、動きのあるものに利用すると一番効果があるので、トランジットチャート、ホラリーチャート、コンサルテーションチャート、四季図、、月相図などに使うと、「今、何の働きがよく、何の働きに不安があるのか」がわかって、かなりチャートが読みやすくなります。

でも、ネイタルチャートは一生もんですからねー

基本的に生きたものではなく、固定されたもの、時間をかけて育てていくもの。

だから、最初にしょぼい苗木でも、うまく育てれば大木に成長することだってままあるのです。

ということは、どんなに立派な苗でも、手をかけず、適当に育てれば、そのうち枯れてしまうこともあるということ。

ちゃんと手をかけないものは、ただのディスポジターだろうが、ファイナルディスポジターだろうが、思ったように成長してくれることはないです。

だから、ネイタルチャートでエッセンシャルディグニティを強調して読むことはないですが、時々ね、生徒さんで「私、天体のほとんどがデトリメントなんです!だからしょぼいんです」とかいう人いますけど、これはあんまり関係がないかな。

むしろ、ここからが大事なのですが、デトリメントのほうがいいんじゃないのか?と思うこと、鑑定の現場でそのように思うことは多々あります。

つまり、ドミサイル天体=ファイナルディスポジターは、ネイタルチャート上では扱いがやっかいだということ。

プイライドがね、そもそも高いんですよ、ファイナルディスポジターっていうのは。

または、完璧主義、理想主義なのです。

だから、うまく働かない、または過剰に頑張りすぎて疲れてしまう。

獅子座は失敗を恐れてカッコつけすぎて、アンナチュラルな生き方になってしまうし、天秤座は200%の人に好かれようと気合満点だし、乙女座水星は細かいことが気になり出すと本末転倒になるし、蟹座の月もねー「わかってほしい!理解してほしい!」という思いが強すぎて、なんか大変そうだし。

とにかく、ファイナルディスポジターは、その天体を立派に使おうとし過ぎて空回りすることの方が多いわけです。

私なんて、水瓶座の太陽、つまりデトリメントの太陽ですから何のプライドもないのです。

どうせカッコつけても大したことはできないので、できるだけ自然体で。

失敗上等なので、チャレンジの敷居も低いですし。

まあ、なんせ気軽なのです。

じゃあ、ファイナルディスポジターをどうしたらいいかですが、それは「それらの立派なエネルギーを何のために使うのか、その目的をしっかりさせておくこと」です。

目的もなく、それぞれの天体が暴走すれば、やりすぎ!またはやらなすぎ!になるわけですが、ちゃんと太陽が中心になって「どう生きるか」が明確になれば、

蟹座・月は太陽のよいい場所をつくり、

牡牛座・金星は持っている能力を存分に提供し、

牡羊座・火星は盲目的に任務を遂行し、

双子座・水星は、アイデアや知恵を絞るわけです。

よって、才能として人生の理想を生きるための=太陽のよきサポーターとなってくれるということ。

↑目的を持たなかったら、これらは全部宝の持ち腐れということです。

そして獅子座太陽は、ここでもいつも言っていますが、太陽神アポロンにちなんで、

デルフィの神殿の門に刻まれた2つのメッセージ

“汝自身を知れ”と“何事も過ぎることなかれ”を肝に銘じ、自分にできる範囲のことを機嫌よくやる。

それぞれに得意な天体などがあるかもしれませんが、まあね、すべて太陽系にとって必要なバランスなので、それぞれにそれぞれの個性があるわけですから、あまりエッセンシャルディグニティなどにとらわれず、各々の天体の得意なシーンでその天体をちゃんと使う、太陽が出ているときは太陽をやり、夜は月をやる、そんな訓練が大事かなと思ったりして。