心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

ユング心理学研究会

今日は久々のオフ。

一日の大半をベッドと風呂で過ごした。

あー幸せ。

そして夜は、作家でありイラストレーターでもある、知人のなかひらまいさんから誘われ、ユング心理学研究会に参加してきた。

「見えないものを描く童話の世界」と題した、なかひらさんの世界観をユング的に考えようという内容。

森や「いい人」と呼ばれる精霊、小鹿の冒険や女の子のおとぎ話など、なかひらさんの作品はどれも懐かしく、心地良く、そして孤独で怖い。

なかひらさん自身の朗読もあった。

その後、研究会の副会長である白田信重氏との対談。

氏は自らユングおたくと名乗り、そしてユングを心理学的ではなく思想的に研究している。

ユングは、本当は何を探求していたのか?という面にスポットを当てて研究しているとのこと。

さすがおたく。

象徴の捉え方がツボで、これは刺激的な体験だった。

私ももはや、作品や物語を占星術的象徴で捉える癖ができてしまっているのだけれど、そこにさらに深い洞察を与えてくれた。

彼は作品中に出てくる「人に善意を強要する精霊」を指摘し、面白い解釈を披露してくれた。

「善は呪いだ」

彼によれば、善は神の領域であり、それは人間のものではないからだということ。

だから善意は求めても押しつけても、人を圧倒するものなのだそう。

これは、恐らく占星術的に考えれば木星、そしてその背後に海王星冥王星の働きがあると考えられる。

ユング的にいえば、社会的道徳、社会的倫理(木星)=集合的無意識海王星冥王星)ということになる。

これらはどちらも、ユングによれば「個人における個体的なものは、すべて没落し、すなわち抑圧の刑に処される」ものなのだ。

面白い。

善良な日本人がこうした意識にシフトチェンジし始めたことは、まさにユングの言う個性化のスタートということだろう。

「お母さんを悲しませてはいけない」という社会的集合無意識の反動か?

けれど、その道のりは一足飛びというわけにはいかない。

反動を支えるための真の強い自我がなければ、脱出を試みても不安と恐れに圧倒させられるのが常だ。

悪=抑圧された欲望をやるのは、モンスターと戦うようなものなのだ。

天王星冥王星の時期に期待しよう。

その他、色の象徴、背景画の特徴など、洞察に富む話が満載だった。

しかしこの会、本当に層が厚い。

哲学者、妖怪研究家、ゲームデザイナー、音楽家、ジュエリーデザイナー、と様々な分野の方が参加している。

やっぱり、この分野は成熟してるんだな…

ヒューマンリソースじゃないけど、才能豊かな人たちが多く集まっていた。

日本には、ユング愛好家がたくさんいる。

世界で他に類をみないほどユングが評価されているのだ。

ユングが東洋思想に造詣が深いということもあるかもしれないが、それはこの会のモットーでも説明がつく。

ユングなしでユングをやっていく」

この会では、無意識だとかアニマだとかいったユング語を禁止しているという。

ユングは、「わからないことは、わかならいままで味わう」という精神を持っていた。

それが日本人のまったりした感覚にマッチするのだろう。

占星術の業界は、まだまだこの域には達していない。

今日も「心理占星術をやっている」と必死にアピールしてはみたけど、みんな???という感じだった。

それはそうだ。

占星術抜きで語るには、まだまだ先は長い。

もう少し、理解を広めていかなくちゃ。

昔は集中してユングの本を読み、ユングの夢の世界も楽しんだけれど、でも実は最近、自分の中ではフロイトの読み直しにハマっている。

とにかく、心理の世界は広い。

これからも少しずつ学習を深めていく予定。

そんな話、講座の中でもポツポツしていきます。