心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

心理占星術には、まだ議論の余地がある (再考)

集中講座に参加していただいたみなさん!

お疲れさまでした!

小樽、奈良と遠いところから参加してくれた方もいたりと、こんな寒い時期に、ほんとに涙が出るほどありがたい限りです。

心理占星術の世界はいかがでしたでしょうか?

たった2日間という短い間でしたが少しは楽しんでいただけましたか?

今回は大学院で心理学をお勉強している方も参加してくれて、より心理的な話をすることができた。

また心理を扱うことも難しさや、現場での人と対峙することの難しさも話題に上げてみたりもした。

心理カウンセリングと違い、私たちはホロスコープというツールを使い、より素早く、より具体的に人のこころを把握することができる。

それが果たして、メリットなのかどうか。

最近、そこを疑問に思うことがよくある。

実は先日、ある生徒さんから「心理占星術の凄さと危険性をまざまざと感じました」という連絡をもらった。

心理占星術が広まりつつある今こそ、心理占星術は非常に威力のある武器であるということを再認識しなくてはいけないのかもしれない。

そう思わざるを得なかった。

昨年の一年間、私は夢中で心理占星術の普及にエネルギーを注いできたが、心理占星術の危険性まで踏み込む話は、そのうち1割くらいしか割かなかった。

クライアントを前にどこまで踏み込むかは、各人の判断に任せるしかない。

そう思うこともあった。

けれど、人のこころに触れることの危険性をしっかり理解しておかないと、個人の深い問題を引きずり出してしまうこともある。

そこをもっとしっかり伝えるべきなのではないかと今は考えている。

生徒さんはこのようにも書いてくれた。

「ですが、普通に見えても自分でも気付かない抑圧を抱えてる人はいます。そこを、いきなり刺激をして良いのか? 正直その人にどのような変化が起こるのかわかりません…」

パソコン上に無機質に描かれたホロスコープ

そこに配置された天体やらサインやらを読み進めていくと、少しずつ命が芽生え始めるのがわかる。

個人の人格、問題、パターン、才能、人生全般がイキイキと見え始めてくる(そこまで見えるようになるには、時がかかるかもしれないけど)。

ただの記号の羅列を読んでいるように見えるが、象徴を読むということは、目に見えない情報まで掘り起こしていくということでもある。

象徴というのは、あらゆる次元、あらゆるレベルに入り込む力を持っている。

なので意識的でれ無意識的であれ、個人のこころの領域に入り込むことは、そう難しくはない。

ホロスコープという道具を使えば、進入禁止の柵を容易く飛び越えることができるのだ。

なので前にこのブログでも書いたけれど、○○問題と突き付けるのは簡単だが危険を伴う行為であることも忘れてはいけない。

問題として扱うのではなく、こちらがその問題を把握した上で、そこをデリケートに扱うということが大切だ。

つまり、こちらに相手を理解するだけの力量が必要となるということだ。

そこは勉強や経験で補うしかない。

また、従来の占星術にありがちな、たったひとつの表出された象徴―――例えば「8ハウスに土星が入っている」のを発見しただけで、「あなたは、セクシュアリティに問題を抱えている」だとか「遺産問題に関わる」だとか―――それだけで物事を断定することを避けるべきだ。

8ハウスに土星が入っている。

8ハウスを支配している天体が難しいアスペクトを形成している。

ミッドポイントで、それを裏付けるサインを見つけた。

そのように繰り返し、繰り返し強調されてこそ、勇気を持って、しかも相手の成長の度合いを推し量り、言葉を選びつつ、コンサルテーションに臨む。

それくらいの慎重さを持ってこそ、人の人生に責任を持つということになる。

基本的に、私たちは治療することはできない。

とにかく自分の力を過信しないよう、自分たちのできる範囲を限定し、慎重にやっていくしかないだろう。

その辺の話は、もっとしっかり議論していかなくちゃいけない。

そこを避けては、心理占星術の普及はないだろう。