心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

獅子座補足 どうしようもない矛盾や不条理のなかにあって、なお「生きる」ことを肯定する

先日、ある太陽・獅子座の男性のクライアントさんの鑑定をしたとき、「なるほど、これが獅子座の価値観なのか」と新鮮な気持ちになる機会があったので、今日も獅子座の理解を深めるお話を。

 

これから組織のトップを目指そうとしているということで、どんなトップを目指しているのかと聞いたところ、身近に尊敬できる女性社長がいるということ。

どういうところがリスペクトできるところだと思うのですかという私の質問に対し、彼はこう答えてくれました。

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リスペクトできるところは、追われる経営をしていないということです。

多くの社長さんが借金抱えながら追われながらやっている、とくに医療業界は余裕がなく、職員さんを大切にする経営ができていない。その中で彼女は、追われない経営ができている。

行動力があるのはもちろん、それに賭けている夢がある。数字から入らず、やりたいと思う構想から事業を計画していき、そこから結果がついてきている。

無駄もない、職員に対する過酷さもないというところに共感しています。

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昨日の中上健次「五十円玉の穴をくぐりぬけた精神の分量なんかたかが知れているではないか」という言葉そのものですね。

 

理想がある、夢がある、無駄がない=己を知っている、みんなにとって貢献的である、

これぞまさしく獅子座の理想的価値観ということでしょうか。

もちろん、事業には数字はつきものなのかもしれませんが、自分にとって大事なものは何かを知っておく、これこそ無駄がない=己を知っているという大事な太陽のテーマなのかもしれませんね。

 

Tさん、発言の使用の快諾ありがとうございました!

とてもいい勉強になりました。

 

昨日も書きましたが、誰にとっても太陽&月をやるというときには、こういった「なぜそれを目指そうとしているのか」という質問は有効だと思います。

 

そして、もう一つの補足。

柄谷行人(太陽・獅子座)の「中上健次(太陽・獅子座)論」の中の一節です。

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中上健次に人が感じとるのは、第一に、「愛」というべきものです。彼に傷つけられた人もけっして彼を憎むことができないのは、そのためだと思います。彼は、虐げられた者と共に苦しむことのできる無限の優しさをもっていました。それは同情というのとは違っています。彼がどれほど人間の弱さに繊細な感受性をもっていたか、そのことで、彼自身がどれほど苦しんでいたか。 

そして、そのことは、別の観点からいえば、彼が徹頭徹尾「生きる」ことを肯定していたということです。いうまでもなく、それは病や死を排除することではありません。病や死のなかにあって、あるいは、どうしようもない矛盾や不条理のなかにあって、なお「生きる」ことを肯定することです。

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あいまいな象徴をこのように的確に言葉にしてもらえるとは!

評論家という仕事そのものも「獅子座らしい」と言えますね。

人の「正当さ」に光を当て、それを人に知らしめていく。

 

いつも素敵な感想を寄せてくれるふみさんも獅子座ですが、ふみさんの感想を読むと、私の仕事が正しく評価されている気がして、いつもうれしく思うのも獅子座の力によるものかもしれません。

 

これからの自分の太陽の使い方をイメージしてみるためにも、ぜひ昨日の記事も含めて、読みながら理解を深めてみてください。