5/18(火)の月イチ勉強会「コンサルテーションチャート演習、カップルの相談事例から心理占星術的ソーラーリターン図のリーディングとアプローチを考える」は、将来のためのプランを考えているというカップルの事例を使って、ふたりの間に働いている力学とカップルカウンセリングのアプローチ法を考えてみようというものだったが、占星術によるカウンセリングの可能性を見つめ直すよい機会になった。
ふたりがやってくる。
将来のためのあるプランを立てているという質問を受ける。
コンサルテーションチャートを見てみると、また別のテーマが見えてくる。
コンサルテーションチャートのある強調されたテーマかから、彼ではなく彼女のほうの強い思いと、そして、それにまつわる物語――どこから来て、どこへ向かおうとしているのか――がわかる。
この物語は、丁寧に扱ってあげなければいけない。
それくらい強いエネルギーが働いているように見えるのだ。
彼女のネイタルチャートと照らし合わせてみると、限りなく意味深なシンクロニシティがある。
これでどちらの主導でこのテーマが動いているのかも理解できた。
では彼は、どのくらいこの物語に関与しているのだろうか。
この関与の薄さは、なぜなのだろうか。
何を怖れているのだろう…
なるほど、なるほど。
コンサルテーションチャートに示された表示、その力学の中から見えてくるお互いの期待や不満、これらもなんとなくイメージできた。
コンサルテーションを始める準備は整った。
では、どこに向かってふたりの物語を進めていこうか、これらのテーマをどう伝えていくとカップルのwell-beingにより近づいていけるのだろうか…
導入はこのような感じだろうか。
企業コンサルタントの秘儀の一つとして、「当初クライアントが解決を相談してきた問題以外のところにこそ、本当の問題がある」というようなことが言われているが、コンサルテーションチャートを使った現場は、まさに「問題以外のところ」にある「問題の本質」に迫ることのできる重要な技術である。
そして、「本質」に一足飛びにたどり着くことができるからこそ、逆に、急いで答えを開示したくなるのをこらえ、丁寧に「どこからきてどこへ向かおうとしているのか」の物語を伝えることで、自分自身で答えを見つけるための道筋をつくってあげることができるかもしれない。
今回、カップルカウンセリングのための勉強会でこだわったのは、こうしたコンサルテーションチャートの使い方だけではない。
カップルをカウンセリングするということは、2人分の神経を使うということである。
この言葉は彼女にはどう響き、彼にはどう影響するのか。
彼女にとって、このような表現はプラスになるけれど、彼にとってはマイナスになるかもしれない。
逆に、彼女に伝えているように見せて、間接的に彼に聞かせてみるのはどうだろうか。
仲介人がいるからこそ、安心して話せることもあるだろう。
誰か第三者に、ふたりの会話を聞き届けてほしいという思いもあるかもしれない。
むしろ、私が憎まれ役になることで、二人の結束が強まることはないだろうか。
ふたりの間でパターン化しているものを、うまくオルタナティブストーリーとして語り直すことはできないだろうか。
そうして話しているうちに、ふと気がづいた。
自分ひとりでは解決できない問題も、関係性の中でそれを理解し、うまく利用することによって、成長と共に問題を解決できるものなのだということがわかった。
なるほど。
人は、関係性の中でしか解決できない問題というのがあるのだ。
それが男女の関係なのか職場関係なのかは問わない。
ただ関係性の中で生まれた問題は、自分ひとりで解決するのは非常に難しいわけだらから、幼少期から抱えている心理的パターンを解消するためには、コミットし合った関係性の中で自分を生かし生かされ、役割を手放し、役割を演じ直し、物語を書き換えていく…そういった動的な力学の中でないと、人は人生を捉え直すことができないということはわかるだろう。
人を断絶すること、心理的に人を遠ざけることをしないほうが、やはり人生は楽になる点が増えるような気がする。
今回の勉強会では、お互い、どこがパターンになりやすく、だからこそ相手を利用し、このように書き換えが可能なのではないかということを考えていった。
正解かどうかが大事なのではない。
ふたりが自分たちで力を合わせてやってみようと思える、そういう提案を現場の中で作り出していくことできれば十分なはずだ。
今回、様々な気づきがあったので、またこのようなテーマでやってみたいなと思っています。
自分が前向きに変われた関係性があったら、それはなぜなのか、どのような力学が働いていたのか、それを考えてみましょうか。
どうかな。