心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

心理占星術の学習法

占星術の技術の上達に必要なのは何だろう。

たくさんの本を読むことか。

ネットでできる限りの情報を集めることか。

それとも、優秀な講師につくことだろうか。

または現場での経験を積んだり、何千ものチャートを読む訓練を重ねたりすることか。

中には、直感力や第六感の力を身につけることで占星術の技術向上を目指す人もいるかもしれない。

みなさんは、どのような方法で占星術の技術を上達させようとしているのだろうか。

私は心理占星術が専門だが、心理占星術の技術を磨く方法はいたって単純だ。

単純だけれど、これがとても難しい。

ある程度、基礎が出来上がったら、あとはたった2つのことに集中すればいいと私は考えている。

それは、人間に興味を持つこと。

そして、あらゆる感情に触れること。

心理占星術は、もちろん人の心を扱うものだ。

個人の真の欲求を理解し、成長の物語を読み解き、その過程で形成された思考&行動パターンを理解し、より良い方向へと導いていく。

私の心理占星術読みは、決まったメソッドに従って読み進めていくのでテクニックそのものは難しくないが、それを用いてコンサルテーションを行おうと思うと、その複雑さに苦戦することになるかもしれない。

講座で教えていても、ここのポイントで多くの人が苦労する。

その時、私は先ほどの学習法を伝えるしかない。

人間に興味を持つこと。

あらゆる感情に触れること。

私は学習の進んだ人には、占星術の本ではなく小説や詩、そして心理学の本を読むことを勧める。

心の機微や目に見えない感情のひだに触れ、心理的現象を理解する。

弱さ、悲しさ、情けなさ、バカバカしさ、ズルさ、醜さ、愚かさ、言葉は何でもいいけど、そういったネガティブな感情の動きの行方を知る。

また、贈り物のような喜びの瞬間の感情を観察する。

この知識がコンサルテーション時、クライアントの人生の葛藤に結びつき、アドバイスのヒントになったりするのだ。

そして、もうひとつの学習法「あらゆる感情に触れること」。

これは書物から学ぶのではなく、自らの人生から味わわなくてはならない。

できる限り多く。

それは自分の心理体験の中から、クライアントが体験している何かしらの葛藤のニュアンスを引き出すためだ。

想像力だけでは、真の感情エネルギーを理解するのは難しい。

だから感情を動かすことを恐れず、人生の経験をより多く積んでいかなければならない。

新聞記事で見つけたヘルマン・ヘッセの言葉を借りれば、

「憎しみにしろ、羨望にしろ、嫉妬にしろ、無慈悲にしろ、どんな感情もよいものです、非常によいものです」

「それは人間が本気で抱いた感情だからよいものなので、どれか感情を不当に扱えば、それは星を消してしまうものになる」

こういった感情体験を通して、まずは自分の扱いにくい心の暗い側面を受け入れる。

または幸せと不幸の、悲しみと喜びの、二極の感情の合間のあいまいな状態の必要性を知る。

そして、クライアントの表面に見えている状態のその奥の人生理解に少しでも近づいていく。

「私」の感情は、必ずクライアントの感情につながっている。

もちろん、人はひとつの人生しか生きられない。

だからこそ、こういった努力をしなければ、クライアントの実像を理解することは難しいだろう。

心理占星術を学習している方々、自分のなりの学習方法があったら聞かせてください。

私も更なる学習法を探ってみます。