心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

心理占星術の反省点を考えてみた

なぜか、みなさんからとても重要な、考えさせられるような質問をいただいていて、そして返事ができないままでいます。

頭の中でグルグル質問の答えが回っているので、返信もう少々お待ちください。

最近、自虐ネタで「心理占星術って、イマイチ流行らないよね」とか言ったりしている。

実際は、少しずつ認知はされてきてはいるが、それとともに反省点も多いことが見えてくる。

私の耳にも「心理占星術ってイマイチ」みたいな評判が入ってくることもあるし、生徒さんからも「ある占星術の先生が、心理占星術は心理って言葉をつけて逃げてるだよって言ってた」とか「心理占星術を学んだという人に鑑定をしてもらって、すごく嫌な思いをした」とか、あんまり楽しくないことを聞いたりする。

私も時々、「心理占星術勉強しました」っていう人たちの、あまりの雑な理解の仕方に驚くこともある。

これはマズイ。

でも…何がマズイのだろう。

心理占星術がイマイチだと思っている人たちの言い分はこうだ。

まず、父親問題、母親問題とホロスコープの問題探しばかりして、シリアスな方向にばかり目がいくと思わされている人が多い。

なんでわざわざパンドラの箱開ける必要があるの?

なんで古傷に塩を塗るようなことするの?

という感じ。

確かに、心理占星術は問題探しをする。

でも果たして、問題がわかっていないのに、的確なアドバイスなんてできるのだろうか?

心理占星術の長所のひとつに、相手の真の問題を理解することによって、相手の繊細な部分を粗雑に扱わずにすむということがある。

問題があることを知っていれば、そこを慎重に扱い、相手の心に深く寄り添うことができる。

そして、難しくなっているエネルギーを別の可能性に変化させることができるのだ。

そして心理占星術は、「あなたは○○な人でしょう?」といった決めつけるアプローチをしない。

心理カウンセリングを勉強した人なら当たり前のことなんだけど、ティルも「YES、NOで答えられるような閉じた質問ではなく、なぜですか?どう思いますか?といった開いた質問をしよう」と言っている。

この点が従来の占星術と違うということだ。

つまり私はこの点―――「断定的な鑑定をしない」ということが、心理占星術の重要なポイントだと思っている。

最近、あらゆる講座で言いまくっているのだが、私が占星術を勉強したての頃、某学校のある先生がサンプラーを前に「金星冥王星って恋愛に依存するんだよ」とか言っているのを聞いて、「こんなふうに言い切ることに、何か発展性があるのだろうか」と疑問に思ったことがある。

そんなの本人が百も承知なんじゃない?って感じ。

そこには、なぜ?を挟む余地がまったくない。

私は、そこに違和感を覚えた。

ではこのアスペクトは、どう考えればいいのか?

金星=2ハウス=牡牛座は、自己価値観、冥王星=8ハウス=蠍座は他者の価値、ということは、金星冥王星は、基本的に他者の価値により、自己価値の形成が難しくなってしまっている状態であると考えられる。

他者に価値を見出して、それを自分の価値に置き換えようとするエネルギーを持つことから、恋愛をした相手に自己価値を投影し、そこで依存という関係性が出来上がっていく。

占星術の学習は、ホロスコープの原理をしっかり理解するだけで十分だと私は思っている。

つまり、色眼鏡でホロスコープを見るのではなく、その人の色でホロスコープを色づけしていく作業が重要になるということだ。

そして、今抱えている問題がホロスコープに描かれている問題と照応しているかを確認し、どう修正すれば、その人物のあるべき姿に近づけるかの可能性を探っていく…

ある生徒さんは、「普通の占星術って、だから何なのよ!って感じで終わってしまうことが多かった。そこから先のどうするかを具体的に教えてくれない」と言っていた。

本当にそうだよね。

私の反省点として、この「色付け作業のプロセス」をもっと丁寧に教えていく必要があっただろうという結論に至った。

占星術の知識ではなく、相手からうまく質問を引き出す現場でのテクニック、そういったものをもっとしっかり伝えていかなくては、心理占星術は良い発展をしていかないだろう。

最近の講座では、少しずつやっているけどね。

しかしカイロンでもお話ししたけれど、私たちは診断できる立場にはいないということを肝に銘じておかなければならない。

ジャッジを下すことはないし、無理に心をこじ開けることもしない。

私たちは占星術的テクニックを中心に人と対峙しているのであって、決して精神分析医ではないのだ。

そこはくれぐれも忘れないように。

きのう、生徒のYさんに「心理占星術って占い師のためにはすごくいい」と言われた。

それはそうかも。

心理占星術を嫌う人に限って、まだ解決できていない心の問題を抱えている人が多いし、そこに無自覚な人もいて、そういう人の鑑定はクライアントの話を聞くだけか、一方的に自分の話したい事を話すだけか、または「大丈夫、どうにかなるわよ」的な根拠のない希望を与えるだけかになる。

占いをやっている人が自分を調整するものとして勉強してもらえるのは、私にとっても喜ばしいことだ。

でもね…このブログでも散々書いているけれど、ホントは別に、わざわざ「心理」占星術って言わなくても何も問題はないんだよね。

私の講座でも、心理をそれぼど前面に出すことはない。

心理学の知識に触れることはあっても、それを扱う技能がなければ危険なものになることは百も承知だし、それに私は、心理というよりもむしろ「時代感覚」を意識するのが大切だと思っているのだ。

「今、私たちに何が起ころうとしているのか?」「今この時代に何が必要か?」そういったことを考えれば、自ずとアドバイスや目指す方向が見えてくる。

それが人々の心理として表れてくるわけで、だから「心理」でもアリかなとは思うけど。

だって占星術は、そこが一番得意なはずでしょう?