火星が射手座入りしてから、なんでだろう、皆さんと一緒に非常に深い学びを体験している気がしている。
銀河鉄道の夜のジョバンニが作品の中で何度も口にする「あゝ…」ではないが、「何かよくわからないけれど、たった今、とても大事なことに触れようとしているぞ」という畏怖の体験のようなものをこの2週間の間に何度も。
特に生き方働き方研究会で扱ったOpenAIのアルトマンと日本ワイン醸造家のチャートを読んだときの感覚。まるで正反対だが、それぞれに時代の最先端を生きる二人は、一体、どのようにチャートを生き、どのようにこの時代を生きているのだろう。そんな問いの中で見えてきた二人の美学や使命。なるほど、職業というのは、もしかしたら自分の大切なものを守るための闘いなのかもしれないぞと思わずにはいられなかった。
牡牛座のアルトマンと、同じく牡牛座のマルクスやフロイトとの関係、山羊座のワイン醸造家の時間との向き合い方、様々な角度から二人の生き様を比べてみると、私自身がどのような人間なのか、どう生きたいのかまで浮き彫りになり、自分自身を知りたければ、とことん自分から離れて他者を学ぶといい。人の中に自分を見出したときの心の揺れ――気恥ずかしさやときめきに出会いながら理解を進めていく。
そうなのだ、自分にこだわっていても世界は開けないのだ。自分は何も知らず、世界は広く、知らないことだらけで、そして正解など求めなくても学び続けていけば、このように欲しかった答えが向こうからやってくるものなのだ。
そうか!私はワイン醸造家の人のような時を生きたいと思っていたのだった。出生図の太陽とトランジットの土星が90度の角度の時にこそ、大きな成果をその手にしてしまうような、そんな実直さで己を生きていければ、それで満足だったのだ。
教えている立場でなんだが、この日、私は一人深い癒しと感動を味わい、心からいい気分で眠りについた。「あゝ…」体験というのは、いつだって予期せぬ方向からやってくるものだ。
または、土曜日に行った時期読みパーフェクトマスター講座。この講座は、いつでも私に「時というのは魔法のようなものだ」と思わせてくれるのだけれど、今、まさに風前の灯火の岸田総理のチャートが、「おいおい、まさか岸田さんは、運だけでここまで上り詰めたわけではあるまいか」と思えるほどあまりにミラクルで、なんだろう、もうこういった発見って、心が処理できないくらいテンションが上がるというか、ほんと高まる。
たまきさんがレポートしてくれたビリー・アイリッシュも、つい圧倒されてしまったというか、大きな力を手にした後の苦しみ、そこからの生還の物語が感動的で、人はちゃんと「時=天体の運行」をわかっているのではないか、やはり個々人の中に内的宇宙を感じ取っているのではないかと、講座中、思わず「あゝ…」となった。
占星術に携わる人の多くが、3重円(トランジットやソーラーアーク)をうまく読めないままプロの現場に立っているということだが、これは本当にもったいないことだ。
時期読みパーフェクトマスタークラスは、もはや研究会のレベルとなり、2年目のタームに入ったが、これだけやってきてわかったことは、それが前時代的な岸田さんのチャートであれ、Z世代のビリー・アイリッシュのチャートであれ、「私/私たちに何が起こっているのか」を理解するのに大いに役立つということだ。
役立つという言い方は正しくないかもしれない。私たちは同時代を生きるいわゆる「同志」なのだろうと思う。岸田さんからは過去を引きずり生き方の不毛さを学び、ビリー・アイリッシュからは多様な生き方を学ぶ。
どんなチャートからも学びがあり、そしてどんな占星術のチャートも必ず人間(=わたし)に回帰する。
学びというのは、単に技能や技術ではない、もっと奥のほうに働きかける力を持っているものだなと思う。この「あゝ…」という体験は、時代が変われど、きっと人生のことあるごとに支えになってくれる、と私は信じている。
ということで、これからも食わず嫌いはせず、たくさんのチャートに触れていきましょう!