後ろ向きの作業をいくつかやらなくてはならず、そのせいで気落ちすることがあり、6年ぶりに風邪をひいてしまった。身体は正直だ。
風邪に耐性がないため、必要以上に気弱になっている間に、ハッとするようなニュースがいくつも飛び込んできた。
アジア初の女性のノーベル文学賞受賞、そしてノーベル平和賞。特にハン・ガンさんの受賞には胸が躍った。彼女の作品は、済州島4・3事件を扱った「別れを告げない」しか読んだことがないが、この作品を読んだとき、こういう作家が韓国にいるということがとても大事なことに思えた。彼女は「哀悼で終わらせない決意」という言葉を使っている。激甚な歴史の痛みを個人的体験として書き綴る、まだ若い作家がいるという韓国の未来は明るいのかもしれないとも思った。
〈過去の他者〉の願望に応じようとする構えがない人が、〈未来の他者〉に答えることができるだろうか。
を紹介したが、世界はますます〈未来の他者〉から遠くなっているように思う。
核の脅威も南北の問題もいまだ消えない。「哀悼で終わらせない決意」のようなものが必要だということは本当にそうだ。しかし、これが非常に難しい。
あるイスラエルの政治評論家がこのようなことを言っていた。
およそ1,200人を殺害した2023年10月7日のハマスの攻撃は、むしろイスラエル人の真の姿を解放させることになった。「我々が生きるか敵が死ぬか。またはその逆か」というイスラエル人が注意深く抑制してきたこのマインドセット、深い部分で抱えてきた欲望が解き放たれてしまった。
ネタニアフは人々を扇動したり洗脳しているわけでない。国民の幅広い意見を反映させているのだ。
この言葉にハッとさせられた。それぞれの国が注意深く抑制してきたマインドセットが、何かしらのトリガーによって解き放たれることは往々にしてあるだろう。アメリカ大統領選しかり、中国の台湾包囲の軍事演習しかり。
国だけではない。わたしたち一人一人の体験だってそうだ。個人の奥底に丁寧に折りたたまれ、静かにしまわれていた深い思いが声を上げはじめた、ということもあるかもしれない。
安倍首相の銃撃のチャートと同様、このイベントチャートも火星、冥王星、月で形成されている。この表示は、つまりこういうことなのだ。「注意深く抑制してきたこのマインドセット、深い部分で抱えてきた欲望が解き放たれてしまう」ということなのだ。
イスラエルが解き放たれたものが「我々が生きるか敵が死ぬか。またはその逆か」だとしたら、日本はどのようなマインドセットが解き放たれたのだろうか。安倍首相の存在から考えると、一神教的な父性からの解放とも考えられるだろうか。
日本はもともと「シンクレティズム」(混淆的信仰観)で何でもありみたいなところがあり、絶対的な存在よりもいいとこどりみたいなのが好きなわけで、安倍派、安倍チルドレンが好き放題やるなんて面白いわけない。
どうだろう。強引な議論だろか。
先日、時期読み研究会で「今ここ」の三重円読みを行ったDさんからこんなコメントをもらった。
冥王星が順行に戻り、太陽に90度。誰にとっても次に向けて解決しないといけないことがあるのだなーと感じています。
還暦を迎えてからの1歳。鑑定の機会は本当に必要な時に訪れるのだと改めて思いました。
いよいよ最後の山羊座運行を迎えるにあたり、どのような国民の総意が表れてくるのか、注意深く抑制されていたマインドセットとは一体どのようなものなのか、わたしたち個人は、この時期にどのような「真の姿」を目にするのだろうか。
あと2週間ほどで投票日がやってくる。
風邪くらいで大騒ぎできるほど、わたしは平和な国を生きているのだ。この平和のために何ができるのだろう。
わたしたちの真の姿は、どのようなものなのだろうか。
怖いような、楽しみなような、だ。
その後、11/3に冥王星は山羊座で最後の火星とのアスペクトを形成する。