心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

冥王星の現在地 体裁や世間体、「こうあらねばらない」姿が解体されたとき、真の「こうありたい」姿が出てくる ではここからどう生きるか、それが問題だ

トランプ勝利確実というニュースが舞い込んできた。

 

週末、2つの時期読みでトランプVSハリスの三重円読みをしたが、俄然、トランプが有利なチャートであった。時をつかむとはこういうことかと、複雑な気持ちでチャートを読み進めたのが印象的だった。

 

世界で起こっていることを前に、今、急ピッチで心理占星術における象徴の書き換えを進めている。社会情勢をもとに、今、人々の心は何を望んでいるのかを考えるのは、心理占星術の象徴を考える上で大切な作業である。

 

先日スタートした基礎講座でも、そのような話をした。生きた象徴を扱うためには、目の前の現実と対峙しながら、象徴の意味を更新しなければならないと。

 

わたしの中で、トランジット冥王星の意味を大きく更新したのは、以下のブログで書いたイスラエル社会学者の言葉だ。

 

nicosmic21.hatenablog.com

 

およそ1,200人を殺害した2023年10月7日のハマスの攻撃は、むしろイスラエル人の真の姿を解放させることになった。「我々が生きるか敵が死ぬか。またはその逆か」というイスラエル人が注意深く抑制してきたこのマインドセット、深い部分で抱えてきた欲望が解き放たれてしまった。

ネタニアフは人々を扇動したり洗脳しているわけでない。国民の幅広い意見を反映させているのだ。

 

11/3の毎日新聞の記事に同じような言葉を見つけた。

 

共和党支持の弁護士ロバート・デサント(77)がいう。

「我々がトランプについていくのではない。トランプが我々についてくるのだ。左派はそのことを理解していない

左派がトランプ支持者を「どうしようもなく愚かで非難されるべき人々」と軽蔑し、愚かだからトランプ氏についていくと考えがちだ。

そうではないのだ。トランプは我々が彼に実行してほしいことをよく理解している。だから支持する。

引退した教師(77)も同意する。

「トランプの人格やパーソナリティーは考慮しない。やってほしいことを実行してくれているから、投票するのだ」

 

冥王星について説明するとき、「人々の恐れ、不安、欲望の声を聞き分けることができる人」という説明をすることがある。

奥の方にしまわれていた恐れ、不安、欲望をお互いが引き出し合い、周知の事実となっていく。強い感情のエネルギーが共鳴し合うことで、ときに熱狂的な、ときに暴力的なムーブメントになるのだろう。

それを体現する人が、いわゆるカリスマと呼ばれるのかもしれないが、上記の2つの記事を読むと、むしろ操り人形のようでもある。

 

では、彼らの言う「やってほしいこと」とはどのようなものなのだろう。

経済政策はもちろんのこと、

「国境の警備を強化し、不法移民の流入を止める」

「米国の伝統文化を維持する」

「米国を再び偉大に」

米国が偉大だった頃とは、ベトナム反戦運動公民権運動が拡大した60年代より前、それが彼らの感じているノスタルジーだという。

 

誰もがアメリカらしいと信じていた自由を愛する民主主義国家、移民国家の仮面がいよいよ剝がれようとしている。

自由?平等?そんなのはアジア人と結婚したヒッピー(ジョンレノン)がつくり上げた幻想にすぎないじゃないか?そんなものは誰も望んでいたわけじゃないんじゃないの?

自分たちはただつつましく生きているだけなのに、なんで移民に仕事を取られなくちゃらないんだ?

俺たちのアメリカを取り戻そうじゃないか!

 

そうか、そうかもしれない。成長のプロセスにおける山羊座体験は、超自我的(内面化した倫理的価値基準)との対決でもある。これまで「こうあらねばならない」と信じていたものが、冥王星の通過により真の欲望に目覚めていく。なぜなら、今までその欲望は、よくないものとして抑圧されていたわけで、冥王星(=火星)の刺激によって、そのタガが外れていく。抑圧が強ければ強いほど、その外れ方は極端に出るかもしれない。

 

これと同時に、このような欲望も出てきたという。

カマラ・ハリスのキャンペーン動画より

「あなたがどこに投票するかは、あなただけの秘密。あなたの旦那は知りようがない」

トランプ支持者の男性の妻が、今回ばかりは夫に内緒でハリスに入れようという小さなムーブメントが起こっているという話題。

結局、この世はIt's a  Man's Worldじゃないか。これまでは、何でも大人しく夫に従ってきたけれど、今度ばかりは夫とは違う選択をしてみようか。

 

今回は、男性の欲望のほうが勝ったのだ。中絶の権利も、また一歩後退した。けれどここからだ。抑圧されればされるほど、同じ思いを抱えた人たちとムーブメントを起こすことも可能なのだ。そういった可能性を見ることができたではないか。

 

伊藤詩織さんの半生を描いた映画『ブラック・ボックス・ダイアリー』が、米国で公開されたが日本公開は未定だという。日本もここからだ。

わたしも冥王星山羊座水瓶座を行ったり来たりしていたころ、ようやくかつて自分の権利が踏みにじられていたこと、弱い立場に甘んじていたことに気づいた。これだけ世の中を知った気でいたのに、実際、心は文化の中で押しつぶされていたのだ。

 

体裁や世間体、「こうあらねばらない」姿が解体されたとき、真の「こうありたい」姿が出てくる。ではここからどう生きるか、それが問題だ。

皆さんもそれぞれに自分の欲望に触れる機会があったかもしれない。けれど、大切なのはこれからだ。

 

アメリカは、自国民ファーストの流れがより進んでいくのだろう。自由と移民の国がなぜそうなったのか。それを考えていくことがわたしたちの仕事になる。

 

2つの時期読みクラスで暫定的に共有した水瓶座冥王星の解釈として、

●コミュニケーションの無力化 わかりあうことの困難さ

●多様性の無力化 

●人権に対する無力化

 

ここから、わたしたちはこのような時代を生きる覚悟と力を身につけていかなければならない。どんな力が必要なのだろう。コミュニケーションを諦めるのか。価値観の違う人間を排除すればすむのか。ただ受け入れればいいのか。

 

ここから、真剣に人間の権利について、価値について考える時代になったのかもしれない。時代が進んでも、なお続く人間同士の無理解を超えて。

 

それが水瓶座冥王星を前にした、現在地ということになるだろうか。

 

 

 

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